共通部分

Definition 4.2.2.1 (共通部分).

2つの集合 があるとき、 の両方に共通な元全体の集合

共通部分という。

記号 交わり、meet、capなどと呼ばれる。 たとえば、 を正の偶数全体の集合、 を正の奇数全体の集合とすると、

一般に、 である時には、交わるという。 また、 である時には、交わらない、または互いに素であるという。

基本的な性質

包含関係

Proposition 4.2.2.1 (共通部分の包含関係).

任意に を取る。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、 かつ

よって、 より、 また、 より、

上位集合閉包

Proposition 4.2.2.2 (共通部分の上位集合閉包).

任意に を取る。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、 かつ 。 また、前提より から、。 したがって、 が示された。

ここから、 は、 の両方に含まれる集合のうちで最大のものであることが言える。

冪等律

Proposition 4.2.2.3 (共通部分の冪等律).

任意に を取る。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、 かつ 、すなわち。 よって を満たすから、 が示された。

次に、任意に を取る。 を示すために、 を示したい。 ここで、 であるから、自明に示される。

したがって、Proposition 4.2.2.3 (共通部分の冪等律)は示された。

交換律

Proposition 4.2.2.4 (共通部分の交換律).

任意に をとる。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、 かつ を満たすなら だが、これは自明。

同様に、任意に をとる。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、 かつ を満たすなら だが、これも自明。

したがって、 は示された。

結合律

Proposition 4.2.2.5 (共通部分の結合律).

任意に をとる。 Definition 4.2.2.1 (共通部分)より、以下のように変形できる。

よって、 を満たすから、 が正しい。

同様に、任意に を取ると、 に変形できる。 よって、 を満たすから、 が正しい。

したがって、 が示された。

Proposition 4.2.1.6 (和集合の結合律の一般化)の証明と同様に、共通部分のどこにどのような順序で括弧をつけても結果的に得られる集合は変わらない。 したがって、以下のように書ける。

包含と共通集合の同値命題

Proposition 4.2.2.6 (包含と共通集合の同値命題).