電気的特性と高速化
論理ゲートやコンデンサが持つ電気的特性と、それにより生じる遅延の原因、VLSIにおける高速化の役割分担について。
絶対最大定格と推奨動作条件
ICの物理的な制約から超えてはならない電圧や電流、周囲環境の温度などを絶対最大定格という。 また、正常に動作することが保証されている範囲を推奨動作条件という。
Wired-OR
論理ゲートの出力同士を直結することをWired-ORという。 CMOS-FETでこれを行うと破損の原因になるため禁止されているが、オープンドレインなどのCMOS以外の回路ではWired-ORを使うこともある。
伝播遅延
組み合わせ回路における、入力が確定してから出力が確定するまでの時間遅れを、組み合わせ回路の伝播遅延と呼ぶ。 そのうち、制御信号が確定してから出力が確定するまでの時間をセレクタのスイッチング時間という。
フリップフロップが入力を取り込んでからそれを出力するまでの時間遅れを、FFの出力伝播遅延という。 回路の種類を問わず、真理値が0から1になるまでにかかる時間を立ち上り時間、1から0になるまでにかかる時間を立ち下り時間という。
寄生容量
電子回路の中に設計者の意図せず発生する静電容量のこと。 FETのゲート端子にできるゲート容量や、ドレイン・電源間、ソース・GND間などに生じる拡散容量などがある。 また、FETがONのときのドレイン・ソース間抵抗をオン抵抗と呼ぶ。
高速化
VLSIの高速化は主に2つに分けられる。 まず、論理ゲートやD-FFの伝播遅延を減らすことで、これは主に半導体物理の役割。 次に、回路構成を工夫してクリティカルパスを短くすることで、これはCSの役割。